ホラー×百合ゲー『夜、灯す』評価と感想

はい、ということでネタバレ感想です。

おばあちゃんの秘密

いやー、まさかおばあちゃんが妹さんだったとは！という感じでびっくりしました。

序盤でお琴メンバーと有華ちゃんと揉めたときに

「…今、鈴の中で累や他の部員、その転校生のことを悩んでいるが、それは鈴の中の話でしかないんだよ」

「累が怒っているのは累に見えた転校生のことであって、転校生本人の心の内は見えちゃいない」

「転校生自身だって、たった一回の演奏で理解した気になって、自分が理解したつもりのお前たちに評価を下し、そこから先を欲していない……」

「つまりお前たち全員、他人との関係に悩んでいるようでいて、実はその悩みの対象は他人じゃなくて、『自分の中で固定した他人』に過ぎないんだ」

と、おばあちゃんのありがたいお説法を聞いて、たしかにそうだよなー。

他人の気持ちなんてわからないから結局自分の中で固定した他人でしかないんだよな…なんてすごい心に染みたんですが。

ゲームをクリアした後は、

おばあちゃん、過去に色々あったんだねー(´；ω；｀)

って激しく胸を打たれました。

実際、自分が大好きだったお姉さまと無理心中をしようとして、自分だけが生き残ってしまう。

しかも無理心中をしようと言ったのは妹であるおばあちゃんの方ですからね。

すごく辛かったと思います。後追い自殺をしたいぐらい。

トゥルーエンドでは、おばあちゃんと千夜子さんが一緒に成仏できてよかった。

成仏させるお経だけは死ぬほど練習したって言ってたおばあちゃんの言葉に涙が出てきて、、本当にたまらんかったです。

でもおばあちゃんがいなくなったら鈴ちゃんはどうするの！？って不安になったんですが、有華ちゃんのところで内弟子にしてもらえるのなら安心だよね。

でももっと長生きしてほしかった。せめて成人するまでは…。

だけどおばあちゃんの余命は2～3ヶ月だったから仕方ないよね。ぐすん。

合唱で部員の弱みを見つける天才の有華ちゃん

みんなのグループ演奏を聞いて、音楽を聞いただけでそれぞれの弱みを見つけた有華ちゃん。

なんですか！？天才ですか！？

これはやっぱり長年お箏と向き合っていたからでしょうか。

それでも有華ちゃんも最初はお箏以外のことなんて興味はないし友達だっていない。

コミュニケーションは苦手だし相手のことを考えることもできない欠陥人間（言い過ぎ）だったのですが、鈴ちゃんと話したおかげで、新しい自分に一歩踏み出せたのが良かった。

そんな天才有華ちゃんが他の部員の心をこじ開けて行きます。

⭐️真弥ちゃん

本当はお箏なんて好きじゃないけど、鈴のそばにいたいからお箏を利用しているだけ。

辛辣な意見を言われて、有華ちゃんきっついなーなんて思うんですが、真弥ちゃんの世界には鈴ちゃんしかいなかったんですね。

鈴ちゃんが大好きな真弥ちゃんは、メインパートの座をかけて有華ちゃんに挑戦します。

が、音楽を聞いただけでその人の考えていることが分かる有華ちゃんですからね。結果は惨敗。

でも真弥ちゃんの中で鈴ちゃん以外の人達が見えて、視野が広がりました。

小夜子さんに殺されそうになったときは、有華ちゃんに命を助けてもらい、最終的には鈴ちゃんと有華ちゃんの2推しになりました。

推し同士がイチャイチャしているのを見るのも好きだったみたいですｗｗｗｗ

真弥ちゃんはキャラ濃くて面白かった。おばあちゃんが引いててさらに笑っちゃいました。

⭐️累ちゃん

以前は陸上部で活躍していたんだけど、足の怪我を理由に引退して箏曲部に入部することになりました。

凶暴なチワワみたいな感じの子で、仲がいい子には吠えないけど、警戒心が強いのか、有華ちゃんにはなかなか心を開きませんでした。

怪我をしてしまった部長のことが大好きで、怪我をした原因を誰かのせいにしたかった（物語では有華ちゃん）という表現があって、なんなの？この子、不器用なのー！？って思いました。

割と精神的に子供なイメージ。

有華ちゃんに対する言い方とか刺々しさがちょっと気になっちゃって。もっと大人になれよ〜なんて思っていましたが、有華ちゃんが電車に轢かれそうになったときに、自分の足を犠牲にしてでも助けようと猛ダッシュしたところが良かった。

なんだかんだ言いながら仲間思いのいい子だなって。

この事件をきっかけに有華ちゃんとも仲良くなって、本当によかった。

⭐️麗子ちゃん

大人っぽくてしっかり自分の意見を持っている、精神年齢高めのお姉さんのイメージだった麗子ちゃん。

でも何か秘密があるんだろうな〜なんて思っていたんですが。

実はめちゃくちゃお箏がうまかった＼(^o^)／

ていうか音楽の才能がありまくりなんでしょうね。

ピアノもヴァイオリンも両親がやっていたこともあってか、コンクール優勝は当たり前。

でも両親のおかげとか生まれがいいからっていわれるのが嫌で、コンクールに出ることをやめてしまいます。

好きで音楽をやっているのなら人の評価なんて気にせず愉しめばいいのに〜なんて思っちゃいますが、麗子ちゃんは繊細なんですね。

お箏は、おかしくなっていない小夜子さんに直々に教えてもらっていたから、一流の師匠ですよね。幽霊だけど…。

自分が目立たないように。自分の力を隠して、でも他のメンバーのサポートをして、と。

こんなところにも天才がいたのか＼(^o^)／

って感じでございましたｗ

最終的に何が言いたかったのか

ゲームが終わって、何が言いたかったのかを考えてみたんですが、キャラクターの共通点としてみんな何かしら悩みがあるんですよね。

序盤のおばあちゃんのセリフの通り、他人が何を考えているかわからない。

もし問題が起きたのであれば、自分の中で解決せずにしっかり向き合うことが大切なのではないかと思いました。

まあ、結局一番心に闇を秘めていたのは、おばあちゃんだったのかもしれませんが。

尼さんになって鈴ちゃんを引き取っていい子に育ててくれたのは、おばあちゃんが素晴らしい人だからなんだろうなって思いました。

と、まあ、いろいろ書きましたが、面白かったです。